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通院が困難な患者さんに対して、求めに応じて居宅や施設等に出向き、歯科治療を行うもので、健康保険で利用できます。

要介護者の皆さん、「おいしいものを口から食べたい、噛みたい」と望んでいませんか?
食事をおいしくとることにより、満足感と喜びが生まれ、生活への意欲がわいてくるのです。
そのためには「健康な口」が必要なのです。

さわやかなお口で、毎日が楽しい暮らしの始まりです。


歯科にも往診の制度があります。通常の健康保険で認められており「(居宅または社会福祉施設等において療養を行っている)通院が困難な患者さんに対して、患者さんの求めに応じて歯科診療を行うもの」で、訪問歯科診療と呼ばれています。
 その中でも、居宅で療養している患者さんに対する場合を在宅訪問歯科診療といいます。

要介護の方の口腔内がこのようになっている方は是非、ご相談ください。


 また、この画像はこちらからダウンロードできますのでご利用ください。


在宅訪問歯科診療についての相談や依頼は、かかりつけの歯科医がいる場合はまずかかりつけ歯科医に相談してみてください。かかりつけの歯科医がない場合は各地区の歯科医師会の相談窓口、もしくはお住まいの市町村の保健センターなど担当課にご相談ください。
 在宅訪問歯科診療を支援する事業を行っているところもあります。

 また、歯科往診FAX依頼書がこちらからダウンロードできますのでご利用ください。

パンフレットはこちらからダウンロードできます。





 長寿時代に入り、長い人生を豊かに過ごすために、いつまでも自分の口から食事を取ることが、生活の質の向上と全身の健康に対して大きなウェイトを占め、大切であると見直されてきています。
 岩手県歯科医師会では「口腔保健センター」を立ち上げ、県民のために障がい者・要介護者の歯科保健医療の充実を掲げ、専門歯科医師の養成、県民が自ら学ぶ環境を提供し、多方面からのサポートを目指して活動を行っています。
 しかし、歯科医師が考えているビジョンと利用者、介護支援専門員、利用者の家族が考えている方向が、必ずしも合致していない点があるのも現状と思われます。


1.二戸市の取り組み

 二戸歯科医師会では、県立二戸病院にて主治医、歯科医師、看護師、言語聴覚士と連携し、急性期における歯科医師の往診派遣を行ってきました。平成18年6月から半年間、脳血管障害などの急性症状の入院患者さん計76名に対し、義歯調整や歯肉炎症状の処置などの治療を行っています。
 以上の取り組みより、義歯調整により早期に食べられる口腔に改善され、歯科ラウンドすることで口腔ケアの意識が高まっています。又、NST(栄養サポートチーム)活動に歯科医師が関わることにより、歯・口腔に関する不具合が多いことが分かり、早期の問題の解決と、退院後のかかりつけ歯科医師へのケアパスがスムーズに図ることができるようになってきました。

2.奥州市の取り組み

 奥州市歯科医師会では、県立胆沢病院連携の下で医師、歯科医師、看護師、臨床検査技師、管理栄養士、調理師などのメンバーでNST回診に参加しています。NSTに歯科が関わることにより、病院職員の口腔ケアに関する関心が高まり、口腔ケア技術の指導を依頼され、実際に看護師さんのための口腔ケアスライドを作成しました。
 以上の取り組みより、回診患者の約6割に歯科介入の必要性があり、2回以上の歯科介入を行った患者さんの6割で介入効果があると判定できました。
 又、高齢化により歯科の介入が求められ、それに見合った知識やテクニックの習得、さらにアセスメント票の改善の必要性が認識されました。
 さらに、低栄養の患者に対し口腔機能の回復・維持・向上を通じて歯科が介入できることは、今後の歯科の社会的ステイタスの向上に結びつくと考えられます。

3.介護現場におけるロ腔ケア

 日本歯科総合研究機構の調査によると、歯科医師が考えている訪問診療が、利用者や介護支援専門員の考えているそれと大きな隔たりがあることが考えられます。訪問歯科診療制度そのものを知らない者が6割近くを占め、予想以上に訪問診療の浸透が希薄であることが判明した<図1>。

<.図1><図2>(日本歯科総合研究機構「高齢者の口腔機能管理」)(日本歯科総合研究機構「高齢者の口腔機能管理」)

 又、介護保険サービスでの口腔ケア指導では利用した事がある者が1.2%、全く知らない者が8割と、現実はあまり機能していないことが分かりました<.図2>。
 そこで、介護支援専門員による口腔ケア提案状況を聞くと、専門員からの積極的な提案は80%以上でみられず、わずか5%で提案がありサービスを受け入れたという結果がみられました。
 この結果より、現状では訪問歯科診療制度は、県民ならびに多くの利用者、介護支援専門員にも周知されておらず、歯科医師が考えているビジョンとは大きくかけ離れているといわざるを得ません。

4.岩手県における訪問歯科の取り組みの経年変化

 岩手県歯科医師会会員に行われている「会員実態アンケート調査」によると、経年的な訪問診療の実施状況は3年間で「行っている」が6.4%減少し、「行っていない」が4.8%増加し、訪問診療を行っている医療機関が減少しつつあることが分かります<図3>。

<.図3><図4>訪問吟症の実施状況訪問歯科診療器材貸し出し状況(盛岡市歯科医師会)
平成20年度(r会員実態アンケート報告書」岩手県歯科医師会調査室)(盛岡市歯科医師会)

 しかし、盛岡市における訪問歯科器材貸し出し状況を見ると、平成18年度からの3年間で8倍に増加しているが、貸山先に関してはほぼ決まった医院に偏っているとの事であった<図4>。

 以上の事から、訪問診療を行っていない医療機関と、積極的に訪問診療を行っている医療機関の格差が経年的に見ると大きくなってきていると思われる。


 二戸、奥州市両歯科医師会のように、県立病院で積極的に急性期に対し歯科の介入を試みている先駆的な所もあり、NSTのチームの一員として大きな成果をあげてはいますが、各施設において低栄養に陥る前の段階で積極的に対応する場合の、連携のシステムやノウハウを構築して行くことが急務と思われます。
 又、退院後のかかりつけ歯科医師へのケアパスなどの二次的なサポート体制も、地区歯科医師会や地域による支援体制の取り組みが大切です。

 介護現場においては、利用者はもとより介護支援専門員や家族に対しても、サービスや制度そのものを知らないケースが多く見受けられます。積極的な口腔ケアや訪問歯科の啓発活動を、多方面に対し推し進める必要性があると思われます。
 歯科医師の訪問歯科診療への取り組みを見ると、訪問診療は増加しているのに対し、実施している医院は減少傾向にあり、取り組みの偏りが見られます。
 積極的な取り組みは、これから多様化する患者ニ一ズに対応し、地域におけるフィランスロピーの確立にもつながり、これからの少子高齢社会に向けて、歯科医院経営の安定化のためにも、積極的な取り組みが今後ますます必要になってくると思われます。
(岩手県歯科医師会調査室)



 主に高齢期・寝たきり者等の口腔ケアの推進を図るため、最新の歯科保健医療に関する技術の研鑽や知見の習得及び地域における先進的な医科-歯科連携等について講習会を行うことにより、在宅歯科医療、口腔ケア等のプロフェッショナルケアについて専門性をもつ歯科医師及び歯科衛生士を養成することを目的とする。


 講習会は、厚生労働省の委託により社団法人日本歯科医師会が開催する。ただし、社団法人日本歯科医師会は、各都道府県、各都道府県歯科医師会、社団法人日本歯科衛生士会の協力を得て実施することができるものとする。

3.内容(次項参照)



 主に高齢期・寝たきり者等に対する在宅歯科診療の普及向上に資するため、在宅歯科診療を実施する医療機関に対し、在宅歯科医療機器の設備を整備することにより、安全で安心な質の高い歯科医療提供体制の充実を図ることを目的とする。


 「歯の健康力推進歯科医師等養成講習会」を修了した歯科医師が、在宅歯科診療を実施するために必要なとなる医療機器等に係る初年度設備整備事業とする。補助率:1/3(負担割合:国1/3、都道府県1/3、事業者1/3) 

 
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